ゲームセンターやパチンコ店は、開業するための投下資本額が莫大な金額となる。そのため風俗営業許可取得の可能性については、とても慎重にならざるをえない。
私のところには、許可要件について不動産業者やパチンコ店店舗開発担当者などから様々な相談が寄せられる。
特に営業地域規制をクリアーするための要件、保全対象施設については風営法の条文や各都道府県の条例を参照しても具体的にどの施設が該当するのか確信が持てないようだ。
細かなことだが、大事なことなので具体的に説明しよう。
学校
学校については、都道府県の風営法施行条例では学校教育法第一条に規定されているものに限る。
具体的には、幼稚園、小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、大学及び高等専門学校と規定されている。
専修学校や各種学校はここには含まれない。
専門学校、予備校、学習塾ももちろん含まれない。
<義務教育学校>小学校課程から中学校課程まで義務教育を一貫して行う学校
<中等教育学校>中学校と高等学校を合わせた年限に相当する六年間の一貫教育を行う学校
児童福祉法第7条第1項の保育所
保育所についてはよく相談される、
保育所、保育園、認可保育園、認可外保育園、どれもよく似た名称であり、最近は「認定こども園」もできたので、さらにわけがわからない。
保育所が正式名称で認可保育園とも呼ばれている。概ね公立が保育所、私立が保育園と名乗っていることが多いようだ。
これ以外のものを認可外保育園といい、保全対象施設からは外れる。
「認証保育所」「認定保育所」なども認可外保育園になる。
千葉県においては
保育所、幼保連携型認定こども園の周囲100メートル以内の地域が営業規制されている。商業地域内の場合は70メートルが規制されている。
<認定こども園>幼稚園と保育所の機能や特性をあわせ持ち、幼児期の学校教育と保育を一体的に提供するとともに、地域の子育て支援も行う施設です。
大学
大学で注意すべきは、サテライト教室、これが正式な学校の施設として届けられていることがあり商業ビルの中にあったりするので、要注意だ。
大学校は、大学とは違い保全対象施設ではない。
図書館
公立の図書館だけでなく、日本赤十字社、一般社団法人、一般財団法人が設立する私立図書館も保全対象施設となっているためこれも要注意。
児童福祉施設
児童福祉施設で要注意なものは、助産施設と児童厚生施設の二つ。
助産施設は、独立した施設ではなく、病院の産婦人科病棟の一部や助産所の一部が助産施設として指定されている。
このため全ての助産院や助産所という名称の施設が助産施設に該当するわけではない。
児童厚生施設とは、児童遊園、児童館等の施設をいう。
公園(街区公園)と児童遊園はちがうのだが、誤解している人は多い。
ブランコ、すべり台が設置してあるから、保護対象施設とは限らないのだ。
児童遊園か否かは、市役所の担当部署に聞けばすぐわかる。
以前経験したのだが、ブランコや遊具が設置された場所は要注意箇所だ。
調査すると児童遊園ではなかったのだが、ブランコや遊具が設置された広場が開業予定地の営業制限区域内にあった。
幼稚園からは離れていたが、園庭として正式に届けられていたため、保護対象施設に該当しその場所での開業は見送られたことがあった。
病院、診療所
病院は二十人以上の有床施設、診療所は十九以下の有床施設をいう。
診療所は入院させる施設(ベッドがある)を有しないものは保護対象施設に該当しない。
クリニックと称している施設などは概ね入院施設がないので、該当しない。