風俗営業申請や古物商申請等をするときに添付書類として一般の人にはあまり聞き慣れない「身分証明書」というものがあります。
「どういうもの?」、「どこの役所でとればいいのか?」、「お金はどのくらいかかるのか?」とよく聞かれます。知ってしまえば、取り寄せるのにそれほど難しいものではありません。
身分証明書とは
身分証明書が必要ですと伝えると、おおかたの人は「運転免許証のコピーで良いですか?」と聞き返してきます。
身分証明書は証明する内容が決まっていて、市町村の役所が発行するものです。
運転免許証、マイナンバーカードなどの本人確認をするのに使うものとは違います。
ご本人の本籍がある市町村の役所(ここが大事!)で発行してもらいます。
現住所の市町村ではないので、そこはくれぐれも間違わないようにして下さい。
この身分証明書には
・本籍
・本人氏名
・生年月日
のほかに証明する内容として
1.禁治産者又は準禁治産の宣告の通知を受けていない。
2.後見の登記の通知を受けていない。
3.破産宣告又は破産手続開始決定の通知を受けていない。
旨が書かれていて、本籍地の市町村長が証明するものです。
おおざっぱに説明すると、いちおう単独で(自分で)完全に有効な契約ができる資格があるということを証明する書類です。
ただし、制度が変わったため「登記されていないことの証明書」と併用することが必要となりました。
最短でわかる登記されていないことの証明書 も参照して下さい。
どこでとればいいのか
本籍地が現住所と同じか、まず確認して下さい。
同一市町村であれば、住民票の写しをとるときに同じ窓口でとればいいのです。
請求するときは、本籍地と戸籍の筆頭者氏名、生年月日の欄があるので、前もって確認しておいて下さい。
戸籍の筆頭者は、もしまだあなたが独身だとすると両親と一緒の戸籍に入っているので、ほぼ父親となっています。仮に父親が死亡していても同一戸籍であれば、おなじく父親です。
結婚すると、親とは別戸籍になりますので、筆頭者は結婚前の姓を名乗っている人、多くの場合、夫が戸籍筆頭者となっています。
第三者(赤の他人)による偽りや不正な請求を予防し個人情報を守るため、請求する時には、本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど)の提示が必要となりますので、忘れずに持参しましょう。
本人だけでなく、委任状を作れば、奥さんや代理人でも請求できます。
発行手数料は市町村により異なりますが、一通おおむね300円程です。
郵送請求もできます
本籍地が現住所の市町村と違う市町村にある場合は、わざわざ赴かなくても郵便で請求することもできます。
郵送請求する場合の注意点は手数料の支払い方法です。
切手ではなく、郵便局で「定額小為替証書」を買わなければいけません。
いまは、多くの市町村がホームページに郵送請求の方法を掲載しています。
それぞれの市町村の役所ごとに請求用紙がありますから確認してみて下さい。
まとめ
たとえば契約を結ぶとき、その本人が単独で(自分で)完全に有効な契約ができる資格がないとすると、あとあと相手方はその契約が無効になったり、取り消されたりするリスクを負うこととなります。
この身分証明書は、そういうリスクを負わなくするためのものです。