警察が立ち入りの時に、チェックするポイントの中に営業許可証や従業者名簿があります。
従業者名簿不備のため風営法違反とされ、指示処分となる件数がとても多いです。
キャバクラやホストクラブ等の風俗営業者、デリヘルなどの性風俗特殊営業を営む者、スポーツバーやライブハウス等の特定遊興飲食店営業者、スナックやバー、ガールズバー等の酒類提供飲食店営業を営む者、深夜において飲食店営業を営む者などは、従業者名簿を備えておかなければならないと風営法施行規則に定められています。
そこで、従業者名簿についてゼロから分かるように説明するので 指示処分などを受けることの無いように十分注意をして下さい。
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従業者名簿とは
履歴書では従業者名簿とならない
従業者名簿は、労働基準法で雇用主に作成が義務づけられているもので、風俗営業等を営む者だけが、作成を義務づけられているわけではありません。
会社、個人事業主は一人でも社員や従業員がいれば、従業者名簿を作成しなければならないと労働基準法第107条に定められています。
営業者の中には従業者名簿作成の話をすると、「履歴書でよいのか?」と聞かれますが、代用はできません。
履歴書は従業員の採用時に本人が書いて持参するもので、従業者名簿は採用後に雇用主側が作成しなければならないものです。
実際警察の立ち入り時に履歴書を出したとしても、従業者名簿不備とされ指示処分とされます。
従業者名簿の書式に規定は無い
書式規定はありませんが、従業者名簿に記載すべき項目として
① 氏名
② 性別
③ 生年月日
④ 住所
⑤ 本籍のうち都道府県名(日本国籍を有しない者は国籍)
⑥ 採用年月日
⑦ 従事する業務の内容
⑧ 退職年月日
⑨ 確認年月日
これらの項目を記載することが義務づけられています。
従業者名簿に記載すべき人は?
そのお店の営業に従事する人は全員、名簿に記載しなければなりません。
社長、店長、キャスト、男性従業員だけでなく、アルバイトや派遣社員なども記載します。
本籍の都道府県名や国籍の確認の仕方
平成26年に法律の改正があり、本籍の記載が変わったため日本人の場合は、本籍地の都道府県名のみの記載でよくなりました。
雇用主が従業員の本籍に関する情報を得ることが、社会差別の原因になり得るという理由のようです。
住民票の代わりに「住民票記載事項証明書」で確認できるが、どちらも役所で取るため手間は変わらず、本籍地記載の住民票で済ましているケースが多いようです。
外国籍の場合は、不法就労にあたらないよう、在留資格、在留期間の確認が大事です。
仮に雇用主が不法就労助長罪で有罪になれば、風営法の欠格事由に該当することになり営業許可の取り消し等の処分を受けることになります。
日本人の配偶者や永住者の配偶者、永住者、定住者等の
従事する業務内容の書き方
保管期間は従業員の退職の日から3年間
従業者名簿不備の時の罰則
名簿の備え付けを怠った場合や記載に不備があった場合法律違反となります。
10日以上80日以下の営業停止の営業停止(基準期間20日)処分のほか、100万円以下の罰金刑となり得ます。
確認書類
日本国籍を有する者は、住民票記載事項証明書、一般旅券など
外国籍の者は、旅券、在留カード、就労資格証明書、特別永住者証明書など
確認に用いた書類の写しを従業者名簿に添付して保存する。
まとめ
法律で従業者名簿の作成が義務づけられているので、必ず作成しなければなりません。
キャスト、アルバイトの人などが退職時に名簿記載の個人情報の削除を求めてくることがありますが、退職後3年間は保管する義務がありますから、応じることはできません。
ただし、個人情報ですからその取扱には十分注意しなければなりません。